つらい顔面神経痛を鍼灸で改善！痛みの原因とメカニズム、治療の流れを解説

突然の顔の痛み、ピリピリとした痺れに悩まされていませんか？もしかしたら、それは顔面神経痛かもしれません。このページでは、顔面神経痛の症状や原因、鍼灸による効果的な治療法について詳しく解説します。血管の圧迫や帯状疱疹ウイルスなどが原因で起こる顔面神経痛。鍼灸治療では、血行促進や鎮痛作用、自律神経の調整などを目的とした施術を行い、痛みや痺れを緩和へと導きます。顔面神経痛でお悩みの方は、ぜひこの記事を読んで、鍼灸治療の可能性を探ってみてください。つらい症状を改善し、快適な日常生活を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

1. 顔面神経痛とは？

顔面神経痛とは、顔の片側に起こる、電撃のような鋭い痛みです。痛みの持続時間は短く、数秒から数分程度の場合が多いですが、発作的に繰り返すことが特徴です。日常生活の中で、洗顔、歯磨き、食事、会話など、些細な刺激で痛みが誘発されることがあります。また、風が当たるだけでも痛みを感じることがあります。

1.1 顔面神経痛の症状

顔面神経痛の主な症状は、顔の片側の鋭い痛みです。痛みは、額、頬、顎、口の周り、目の周りなど、顔の様々な部位に現れます。痛みの程度は個人差があり、軽い痛みから耐え難い激痛まで様々です。 発作的に痛みが起こるのも特徴で、一度の痛みは数秒から数分程度で治まりますが、何度も繰り返すことがあります。 洗顔、歯磨き、食事、会話、風など、些細な刺激で痛みを誘発する 場合があり、日常生活に支障をきたすこともあります。

1.2 顔面神経痛の種類

顔面神経痛には、大きく分けて特発性顔面神経痛と症候性顔面神経痛の2種類があります。

1.2.1 特発性顔面神経痛

特発性顔面神経痛は、明らかな原因がない顔面神経痛です。血管が顔面神経を圧迫することで発症すると考えられていますが、はっきりとした原因は特定できていません。多くの場合、片側の顔面に発症します。

1.2.2 症候性顔面神経痛

症候性顔面神経痛は、帯状疱疹ウイルスによる顔面神経麻痺や腫瘍、多発性硬化症などの病気が原因で起こる顔面神経痛です。原因となる疾患の治療を行うことで、症状の改善が期待できます。特発性顔面神経痛と異なり、顔面神経麻痺などの他の神経症状を伴うことがあります。

2. 顔面神経痛の原因とメカニズム

顔面神経痛の原因は様々ですが、大きく分けて特発性と症候性の2つに分類されます。特発性の場合は原因が特定できないのに対し、症候性の場合は何らかの病気が原因となっていると考えられています。ここでは、それぞれの原因とメカニズムについて詳しく解説します。

2.1 血管の圧迫

特発性顔面神経痛の多くは、脳内の血管が顔面神経を圧迫することで起こると考えられています。顔面神経は脳幹から出て顔の表情筋を支配する神経ですが、この神経が血管によって圧迫されると、神経の伝達に異常が生じ、痛みとして感じられるようになります。加齢とともに血管が硬くなったり、蛇行したりすることで圧迫が起こりやすくなるとされています。

2.2 帯状疱疹ウイルス

症候性顔面神経痛の原因の一つとして、帯状疱疹ウイルスが挙げられます。帯状疱疹ウイルスは、水痘（みずぼうそう）を起こすウイルスと同じものです。一度水痘に感染すると、ウイルスは体内の神経節に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に再活性化することがあります。このウイルスが顔面神経に感染すると、強い痛みや顔面神経麻痺を引き起こすラムゼイハント症候群を発症することがあります。

2.3 ストレスや疲労

ストレスや疲労は、直接的な原因ではないものの、顔面神経痛の症状を悪化させる要因となることがあります。ストレスや疲労が蓄積すると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮しやすくなります。そのため、血管による顔面神経の圧迫が悪化し、痛みが強くなる可能性があります。また、免疫力が低下することで、帯状疱疹ウイルスの再活性化を招き、ラムゼイハント症候群を発症するリスクも高まります。

上記以外にも、腫瘍や多発性硬化症などが顔面神経痛の原因となることがあります。顔面神経痛の症状が現れた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けることが重要です。

3. 鍼灸が顔面神経痛に効果的な理由

顔面神経痛の痛みやしびれに対し、鍼灸治療が効果的であると考えられています。その理由は、鍼灸が持つ様々な作用が、顔面神経痛の症状緩和に繋がるメカニズムと関係しているからです。

3.1 血行促進作用

鍼灸刺激は、皮膚や筋肉に微細な損傷を与えます。体はこれを修復しようと働き、その過程で血流が促進されます。血行が促進されると、神経への酸素や栄養供給が向上し、神経の機能回復が促されます。 また、血行促進により、発痛物質や老廃物も除去されやすくなり、痛みの軽減に繋がると考えられています。

3.2 鎮痛作用

鍼灸刺激は、脳内でエンドルフィンと呼ばれる神経伝達物質の分泌を促します。エンドルフィンは、モルヒネの数倍の鎮痛効果を持つと言われており、痛みを和らげる効果が期待できます。 また、鍼灸刺激は、痛みを伝える神経経路を抑制するゲートコントロールセオリーと呼ばれるメカニズムにも作用し、鎮痛効果を発揮すると考えられています。

3.3 筋肉の緊張緩和

顔面神経痛では、顔面の筋肉が緊張している場合が多く見られます。鍼灸刺激は、緊張した筋肉を緩める効果があり、痛みやしびれの軽減に繋がります。 特に、トリガーポイントと呼ばれる痛みの発生源となっている筋肉の硬結に対して鍼灸治療を行うことで、効果的に症状を改善できる可能性があります。

3.4 自律神経調整作用

ストレスや疲労は、自律神経のバランスを崩し、顔面神経痛の症状を悪化させる要因の一つです。鍼灸刺激は、自律神経のバランスを整える作用があり、ストレスや疲労による症状の悪化を抑制する効果が期待できます。 副交感神経を優位にすることで、リラックス効果を高め、痛みを感じにくい状態へと導きます。

これらの作用により、鍼灸は顔面神経痛の症状緩和に効果を発揮すると考えられています。ただし、効果には個人差があります。

4. 顔面神経痛に対する鍼灸治療の流れ

顔面神経痛の鍼灸治療は、患者さん一人ひとりの症状に合わせて行われます。一般的な流れは以下のとおりです。

4.1 問診と検査

まずは、現在の症状や発症時期、痛みの程度、過去の病歴などについて詳しくお伺いします。問診を通して、痛みの原因や誘因を探り、適切な治療方針を決定します。問診を通して、痛みの原因や誘因を探り、適切な治療方針を決定します。

また、顔面の筋肉の緊張や圧痛、神経の反応などを確認するための検査も行います。これらの情報は、ツボの選定に役立ちます。

4.2 ツボの選定

顔面神経痛の鍼灸治療では、顔面部だけでなく、全身のツボを使用することがあります。症状や体質に合わせて、最適なツボを選びます。症状や体質に合わせて、最適なツボを選びます。

顔面神経痛によく用いられるツボには、例えば以下のようなものがあります。

上記以外にも、患者さんの状態に合わせて様々なツボが選択されます。

4.3 鍼やお灸の施術

選定したツボに鍼やお灸を施します。鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんど感じません。お灸も温かさを感じる程度で、やけどの心配はありません。鍼やお灸の刺激によって、血行が促進され、痛みが緩和されます。鍼やお灸の刺激によって、血行が促進され、痛みが緩和されます。 また、筋肉の緊張が和らぎ、自律神経のバランスも整います。

4.4 治療頻度と期間

治療頻度や期間は、症状の程度や経過によって異なります。一般的には、週に1～2回程度の通院が推奨されます。一般的には、週に1～2回程度の通院が推奨されます。 症状が改善してきたら、徐々に頻度を減らしていきます。治療期間は数週間から数ヶ月かかる場合もあります。鍼灸師と相談しながら、最適な治療計画を立てていきましょう。

5. 顔面神経痛の鍼灸治療を受ける際の注意点

顔面神経痛の鍼灸治療は、身体に鍼やお灸を施すため、安心して治療を受けられるよう、いくつかの注意点があります。信頼できる鍼灸院選びから、治療中、治療後の注意点まで、しっかりと確認しておきましょう。

5.1 信頼できる鍼灸院選び

鍼灸治療の効果は、施術者の技術や経験に大きく左右されます。そのため、信頼できる鍼灸院を選ぶことが重要です。以下の点に注意して、自分に合った鍼灸院を選びましょう。

5.2 治療中の注意点

鍼灸治療中は、以下の点に注意することで、より安全で効果的な治療を受けることができます。

• 空腹時や満腹時は避けましょう。食後1時間程度の間隔をあけて施術を受けるようにしましょう。
• リラックスした状態で施術を受けましょう。緊張していると筋肉が硬くなり、鍼やお灸の効果が十分に得られないことがあります。
• 施術中に痛みや違和感を感じたら、すぐに施術者に伝えましょう。我慢せずに伝えることで、適切な処置をしてもらえます。

5.3 治療後の注意点

鍼灸治療後は、身体がリラックスしているため、以下の点に注意しましょう。

• 激しい運動や長時間の入浴は避けましょう。身体に負担をかけると、治療効果が薄れる可能性があります。当日だけでなく、翌日も激しい運動は控えましょう。
• 飲酒は控えましょう。飲酒は血行を促進するため、鍼灸治療の効果を阻害する可能性があります。少なくとも施術を受けた日は避けましょう。
• 十分な睡眠をとりましょう。睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、顔面神経痛の症状を悪化させる可能性があります。
• 治療後の変化に注意し、気になることがあれば施術者に相談しましょう。

6. 顔面神経痛を鍼灸以外で改善する方法

顔面神経痛の痛みは日常生活に大きな支障をきたすため、一刻も早く症状を和らげたいと願う方が多いでしょう。鍼灸治療以外にも様々な改善策がありますので、ご自身の症状や状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。ここでは、薬物療法、手術療法、生活習慣の改善、その他保存療法について解説します。

6.1 薬物療法

薬物療法は、顔面神経痛の治療において最も一般的な方法です。主に抗てんかん薬や抗うつ薬などが用いられます。これらの薬は、神経の興奮を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。

薬物療法は、痛みの程度や種類に合わせて薬の種類や量を調整する必要があります。必ず医師の指示に従って服用してください。

6.2 手術療法

薬物療法で効果が得られない場合や、血管による神経圧迫が明らかな場合は、手術療法が検討されます。代表的な手術として、微小血管減圧術があります。

6.2.1 微小血管減圧術

微小血管減圧術は、顔面神経を圧迫している血管と神経の間に小さなクッションを挿入し、圧迫を取り除く手術です。手術によって痛みが軽減する可能性が高い一方、手術に伴うリスクも存在するため、医師とよく相談することが大切です。

6.3 生活習慣の改善

顔面神経痛の症状を悪化させないためには、日常生活における以下の点に注意することが重要です。

• 十分な睡眠：睡眠不足は、神経の興奮を高め、痛みを悪化させる可能性があります。規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
• バランスの良い食事：栄養バランスの良い食事は、健康な神経機能を維持するために重要です。特にビタミンB群は神経の働きをサポートするため、積極的に摂取しましょう。
• ストレス管理：ストレスは、顔面神経痛の症状を悪化させる要因の一つです。リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむなど、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。
• 身体の冷えを避ける：身体が冷えると血行が悪くなり、痛みが増す可能性があります。温かい服装を心がけ、冷えを感じた場合は温罨法などを試してみましょう。

6.4 その他保存療法

薬物療法や手術療法以外にも、以下のような保存療法があります。

• マッサージや温罨法：マッサージや温罨法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。入浴時や就寝前に温かいタオルで患部を温めたり、優しくマッサージすることで症状の緩和に繋がる可能性があります。
• ブロック注射：神経ブロック注射は、痛みを感じている神経に局所麻酔薬を注射することで、痛みを一時的に遮断する方法です。痛みが強い場合に一時的な痛みの緩和が期待できます。
• 星状神経節ブロック：星状神経節ブロックは、交感神経に作用する注射療法です。交感神経の働きを抑えることで、血流を改善し、痛みを和らげる効果が期待できます。顔面神経痛だけでなく、様々な痛みに対して用いられる治療法です。

これらの保存療法は、顔面神経痛の根本的な治療ではありませんが、痛みを軽減し、日常生活を楽にする効果が期待できます。ご自身の症状に合わせて、適切な方法を選択しましょう。

7. 顔面神経痛に関するよくある質問

顔面神経痛の鍼灸治療に関して、よくある質問をまとめました。

7.1 鍼灸治療は痛いですか？

鍼治療で使用される鍼は、髪の毛ほどの非常に細いものです。注射針よりも細いため、痛みはほとんど感じません。個人差はありますが、チクッとする程度、もしくは何も感じない方もいらっしゃいます。お灸に関しても、もぐさを直接皮膚に据えない間接灸が主流となっており、心地よい温かさを感じる方が多いです。熱いと感じたらすぐに伝えるようにしましょう。施術者は、患者さんの状態に合わせて刺激量を調整しますので、安心して治療を受けていただけます。

7.2 保険は適用されますか？

顔面神経痛の鍼灸治療で保険が適用されるかどうかは、原因によって異なります。神経痛が原因である場合、医師の同意書があれば保険適用となるケースがあります。神経痛が原因である場合、医師の同意書があれば保険適用となるケースがあります。ただし、原因が特定できない特発性顔面神経痛の場合は、保険適用外となることが多いです。鍼灸院によって対応が異なる場合もありますので、事前に確認することをお勧めします。

7.3 どのくらいの頻度で通院すれば良いですか？

治療頻度は、症状の程度や経過によって異なります。急性期は集中的に治療を行うため、週に2～3回通院する方もいます。症状が落ち着いてきたら、週に1回、2週間に1回と間隔を空けていくのが一般的です。治療期間も個人差がありますが、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。鍼灸師と相談しながら、最適な治療計画を立てていきましょう。

7.4 顔面神経痛以外の症状にも鍼灸治療は有効ですか？

鍼灸治療は、顔面神経痛以外にも様々な症状に効果があるとされています。例えば、肩こり、腰痛、頭痛、冷え性、生理痛、更年期障害などです。これらの症状でお悩みの方も、鍼灸治療を検討してみてはいかがでしょうか。

7.5 鍼灸治療を受ける際に、何か準備は必要ですか？

ゆったりとした服装で来院することをお勧めします。施術部位に鍼やお灸を施すため、締め付けの強い服装は避けましょう。また、食後すぐの施術は避けた方が良いでしょう。治療前に食事をする場合は、1時間程度の時間を空けるようにしてください。その他、気になることや不安なことがあれば、事前に鍼灸師に相談しましょう。

7.6 副作用はありますか？

鍼灸治療は、適切に行われれば副作用はほとんどありません。まれに、内出血や倦怠感などが起こることがありますが、一時的なもので通常は数日で治まります。ただし、施術を受ける際には、清潔な鍼灸院を選ぶことが大切です。衛生管理が不十分な鍼灸院で施術を受けると、感染症のリスクが高まる可能性があります。

顔面神経痛でお悩みの方は、鍼灸治療を検討してみてはいかがでしょうか。鍼灸師としっかり相談し、安心して治療を受けてください。

8. まとめ

顔面神経痛は、顔面に起こる激しい痛みが特徴的な疾患です。原因は血管の圧迫や帯状疱疹ウイルスなどが考えられます。鍼灸治療は、血行促進、鎮痛、筋肉の緊張緩和、自律神経調整作用などを通して、顔面神経痛の症状改善に効果が期待できます。治療は、問診、検査、ツボの選定、鍼やお灸の施術といった流れで行われます。鍼灸治療以外にも、薬物療法や手術療法、生活習慣の改善、マッサージなどが選択肢としてあります。顔面神経痛でお悩みの方は、ご自身の症状に合った治療法を選択することが大切です。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。